現行のNEMからCatapultへ移行する際のトークン配布方法や報酬形態がいくつか提案されています。
その中で有力な選択肢の一つである、「NEM エコシステム トークノミクス Catapult プロポーザル」について解説いたします。
Catapultトークン(シンボルはCAT)が新しく発行されるわけですが、本提案では、1XEMにつき1CATをオプトイン方式で請求することになります。
オプトイン方式とは、「XEM 保有者のうち、希望者だけにのみCATトークンを配布する方式」で、必要な手続きをとった人(アカウント)だけにCAT トークンを配布する方式です。配布は自動的には実行されません。
( なお、反対は「オプトアウト方式」といい、「XEM 保有者に自動的にCAT トークンを配布するが、不要な人は所定の手続きを取ることで、配布”されない” ようにする方式です。配布は自動的に実行されます。)
この提案では、全発行量のうち未請求のCatapultトークン (オプトインを実行されなかった分) は6年間後にバーンされる予定となっています。
CATの最大供給量は、現状のXEMと同様 8,999,999,999トークンを予定していますが、ローンチ時にはXEMより11.7億少ない 7,832,975000トークンが発行予定です。残りはインフレーション分として割当られ、時間をかけて新規発行されます。
コアチームファンドの割当(アロケーション)は35%から22%に減少することになります。
インフレについて
上であげた11.7億の新規発行分は、ノード運営者と委任者へのブロック報酬に使われます。初めの数年の年利は:
・ ノード運営者 約6%
・委任者 約3%
今後120年はビットコインと同様に新規発行分が時間とともに減っていきますが、4年毎に半減ではなく四半期毎に減少する予定です。

報酬の分類
本プロポーザルでは、大きくわけて次の4つの報酬が提案されています。
- ブロック報酬
- スーパーノード報酬
- アーリーアダプションボーナス(オプション)
- NEM エコシステムノードボーナス(オプション)
オプションのふたつの報酬については、どちらか片方しか申し込むことはできません。
順番に見ていきたいと思います。
ブロック報酬
ノード運営者は、委任を受けて獲得した全てのブロック報酬(インフレーション+トランザクション手数料)から25%を受け取り、残りの75%を委任ハーベスターに分配します。この割合はネットワークのアップデートを合意した上で行わないと変更されません。
各ノード運営者は、各自のトランザクション手数料の要件を自由に変更できます。
スーパーノード報酬
XEM SNファンドから約3,300万のCATが割り当てられ、6年間のスーパーノード報酬削減ファンドが設立されます。
報酬は6年間かけて縮小していきます。このプログラムから報酬を受け取るためには、CATを100万以上保有している必要があります。
報酬は持つ量に応じて階層化され、100万、200万、300万の3階層が提案されています。階層が高いほうが報酬も大きくなります。
現在のNEM1 のスーパーノード報酬の最低必要条件が300万以上保有のアカウントであることと比較すると、大幅に緩和されています。
実際、スーパーノード報酬を維持するか否かの2択になった時に、現行だと300万XEMを保有するか、すべて売却するかという「オール or ナッシング」状態になりがちでしたが、本提案で段階的に売却する選択肢が増えることも期待されているようです。
トークン保有量 | 報酬(%) | 備考 |
<100万 | 0% | ハーベスティング報酬は獲得可能 |
100万から200万 | 100% | |
200万から300万 | 270% | |
300万 | 578% | 最大スーパーノード報酬 |
> 300万 | 578% | 最大スーパーノード報酬+運営者は300万階層以上のハーベスティング報酬を獲得 |
アーリーアダプションボーナス (オプショナル)
コアファンドからCATトークン(187万5千)が固定プールに確保されます。稼働開始前に参加表明し、初日から12か月間ノードを運営している最初の75人のノード保有者へ25,000トークンのボーナスが与えられます。十分な大きさの固定プールは、インフレを制限する一方、先行者にとって非常に魅力的です。
資格要件は以下のとおりです:
- コア開発者、NEM法人または階層トップのCatapultスーパーノードは利用できません
- 1人あたり1つのノードのみです。アカウント認証とローンチ前に参加の表明が必要です(オプトイン/オプトアウト中)
- 期間中に最低50万のトークンがCatapultノードにロックされていることが必要です
NEM エコシステムノードボーナス (オプショナル)
コアファンドからCATトークン(312万5千)が固定プールに確保されます。稼働開始前に参加表明し、初日から18か月間NIS1とCatapultの両方のノードを保有したノード保有者に資金が拠出されます。
資格要件は以下の通りです:
- アーリーアダプションボーナスの受益者でないこと。
- 1人あたり5台以下が望ましい。ローンチ前に参加表明をすること(正確なメカニズムは未定です)。
- 期間中25万XEMをロックしたスーパーノード要件と同一の仕様のNIS1ノードを最低1つ稼働させること。ハーベスターまたは正式なスーパーノードでもよい。
- 期間中最低25万トークンをCatapultノードにロックすること。
以上が NEM エコシステム トークノミクス Catapult プロポーザルの概要をまとめたものになります。
本プロポーザルをより詳細に知りたい方は、下記の出展からご確認ください。
また、現在トークノミクス提案に関する投票が実施されています。
2019年12月22日 AM 8:00(JST) が締め切りになっています。
奮ってご応募ください。
出展: NEM エコシステム トークノミクス Catapult プロポーザル (日本語)
https://docs.google.com/document/d/1sQrOzoSEdPCzEUkF0be8d0nh0YEvVjwa/edit